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第9回 秋の味覚「マツタケ」
2011.09.08
まずは、東日本大震災及び台風12号大雨災害に被災されました多くの皆様に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興を祈願しますとともに、我が国のこうした国難に対し、全国民が一致団結し、復興に向け力を合わせていきたいと強く思います。

今年度の私ども京果グループのスローガンは“絆”です。最も求められるのは、「日本人の絆」。国民のすべての人たちがそれぞれの立場で役割を全うしながら、お互いに支えあうことです。私どもも厳しい環境の中で明るさを失わず、できることをきちんと行って、苦難を乗り越える一助になればと思います。

さて、9月にはいり猛暑から朝晩はいくぶん涼しく、秋の気配が感じられるようになりましたが、まだ残暑きびしい日が続きます。京都は夏の味覚の鱧からそろそろマツタケのシーズン到来で、卸売市場のマツタケのセリ場は日を追うごとに活発になってきています。
松茸のセリ風景 

小売店の店頭にもすでにマツタケが並ぶようになってきていますが、今並ぶのは主に中国産、カナダ産です。これからアメリカ産、モロッコ産、韓国産そして国産が入荷します。日本の主なマツタケ産地は、岩手県、山形県、長野県、京都府、兵庫県、和歌山県、岡山県、広島県です。

国産マツタケの最盛期(昭和初期)の流通量は12,000トンあったと林野庁の記録にあるそうです。ところが松の葉や枝を燃料や肥料に利用しなくなり、松林の土地が腐葉土で覆われ、富栄養化したことで貧栄養状態に適するマツタケの生育が減少したことと、松枯病のまん延で松の木が減少したことにより、マツタケの収穫量は年々激減し、平成21年の収穫量はわずか24トンでした。これは、国内全消費量の1%程度、99%は輸入マツタケになってしまいました。このような最近の収穫量ですので、国産マツタケの価格は、卸値でも1キロ当たり8〜10万円程度(収穫が極端に少ないときやご祝儀相場では1キロ30〜50万円などという話も聞きます)の高値になり、国産はなかなか庶民の口にははいり難くなっているのが実情です。

そういえば昔は我が家の裏山でもマツタケが取れたと聞いたことがあります。秋になって裏山にはいってみると、確かに松の木の周辺でマツタケの香りがするので、もしかしたらと必死になって探しましたが、巡り合うことはありませんでした。マツタケを採るのは大変難しく、特にコケや藻のむす林地では地上に見えないと言われます。マツタケは自然に生えるものを収穫するしかなく、昔から人工栽培の研究が続けられていますが、現在のところ人工栽培に成功していません。

昨年は夏の猛暑の後、秋の十分な降水量がマツタケの生育に良い影響を与え、20年ぶりの歴史的豊作になりました。岩手県産のマツタケが瞬間ではありましたが1キロ当たり3,000円〜5,000円で買うことができ、美味しい松茸を満喫したという人もいました。

このような背景から秋のマツタケ・シーズンには外国産のマツタケに頼らざるを得ないということになります。特に秋の京料理にはマツタケが欠かせません。京都の国産・輸入マツタケの流通量は全国のおよそ10%にも及ぶと聞きます。
去年は、2,044トンのマツタケが輸入されました。その内、中国が1,560トン(76%)、アメリカが217トン(10.6%)、カナダが120トン(5.8%)、韓国、トルコ、モロッコからは各々30〜55トン(1.5〜2.7%)程度です。産地としては、他にフィンランドやスウェーデンなどがありますが、去年は不作で入荷がありませんでした。DNAで解析すると、フィンランドやスウェーデンのマツタケは国産のものと同一種とのことです。

国産のマツタケは、マツ類の樹木を宿主としますが、中国産(四川省、雲南省、チベット自治区)はブナ科樹木を宿主とするそうです。(中国吉林省、黒竜江省や朝鮮半島のものは日本と同じくマツ類の樹木を宿主)

ウィキペディアで見ますと、日本人は、「香りマツタケ、味シメジ」と言い、香りを好みますが、欧米ではマツタケの臭いは「軍人の靴下の臭い」「数か月も風呂に入っていない不潔な人の臭い」と嫌われるそう。マツタケの学名のトリコローマ・ナウオスムは、ラテン語で「吐き気をもよおさせるキシメジ」という意味で、欧米ではマツタケを食べる人はほとんどなく、ほとんどが高値で売れる日本に輸出されています。

中国産
北米(アメリカ・カナダ)産マツタケは、国産のマツタケとは種類が異なり、外観は白色ですが、香りに限れば、国産マツタケに近い強い香りがします。

マツタケ輸入量の数字に示されているように日本市場では中国産が3/4を占め、国産の収穫量が激減してしまい、高値で庶民には手が届かないことを考え合わせると、味・香り・外観・価格を総合的に見て、秋の味覚マツタケは中国産ということになります。
カナダ産
 マツタケメニューは、マツタケご飯、お吸い物、土瓶蒸し、天ぷら、すき焼き、つくだ煮などなど色々ありますが、私のおすすめは、パン粉をまぶして揚げたマツタケのフライ、そして、なんといってもマツタケの一番おいしい食べ方は、素材を生かして香りを楽しむ単純な食べ方です。それは、薄く切ったマツタケを火にあぶり、細く割いてお皿に盛り、醤油・味の素をかけ、スダチをたらし、熱いご飯と一緒に食べるのが最高です。

中国産といえどもお店では1トレー2本くらいはいって2,000円〜3,000円くらいしますから、ちょっと贅沢かもしれませんが、元気で頑張っているお父さんに秋の味覚のマツタケを。中秋の名月を眺めながらのご馳走にどうですか?

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