
今回は、ビタミンCの基礎知識について学びましょう。

ビタミンCが発見されるまでの道のりは長く、16世紀から18世紀にかけての大航海時代にさかのぼります。
当時、船員たちは壊血病という病気に苦しめられていました。
壊血病とは、皮膚や粘膜、歯肉などから出血する症状が見られ、重症の場合は死に至るという恐ろしい病気です。
新鮮な野菜や果物を食べることが極端に少なかった船員たちの間で、特に流行していました。
18世紀には、オレンジやレモンなどの柑橘系が壊血病に有効だという研究結果が明らかにされました。
しかし、柑橘系がどうして壊血病に有効であるかは、この時点ではまだ解明されていません。
さらに時は進み、1919年になるとオレンジ果汁から壊血病に効く成分が発見されました。
これが現在のビタミンCに当たるとされています。

ビタミンCには、以下のような多彩なはたらきがあります。
健康と美容の両面から、注目度が高い栄養素といえます。


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- コラーゲンの生成に関わり、肌のハリをもたらす
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- 強い抗酸化作用で、細胞の老化を防ぐ
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- 肌のシミの原因となるメラニン色素の生成を抑える
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- 免疫細胞の働きを高め、風邪などを予防する
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- ストレスに対する抵抗力を高める
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- 鉄の吸収を助け、貧血を防止する


ビタミンCは、果物と野菜に多く含まれています。
果物の中では、レモンなどの柑橘系に含まれているイメージもあることから、ビタミンCは「酸っぱい」栄養素だと思っている方が多いかもしれません。
しかし、レモンやオレンジなどの柑橘系が酸っぱく感じるのは、一緒に含まれているクエン酸の酸味が影響しているものと考えられます。
そのため、ビタミンCそのものが酸っぱいとは限らないと言われています。
柑橘系に限らず、いろいろな果物や野菜にビタミンCは含まれています。
この機会にぜひチェックしてみてください。
人間の場合、ビタミンCを体内で合成することは不可能ですが、果物や野菜を日頃から摂取していれば、ビタミンC不足を防ぐことができます。

ビタミンC補給として効果的な果物や野菜をピックアップしてみましたので参考にしてください。
尚、ビタミンCは保存や調理・加工によって非常に壊れやすい栄養素です。
そのため、何を選ぶかだけでなく、保存方法や調理・加工方法にも留意する必要があります。
このあたりについては、次回以降の回でご紹介させていただきたいと思います。
