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食安室通信 果実の種類と特徴
冬野菜特集
~寒いシーズンに大活躍の野菜たちを紹介
本格的な冬に差し掛かりました。
寒さや乾燥の厳しい冬の季節、特に気を付けたいのが体調管理です。
体調管理に悩むこの時期にこそ、冬野菜を存分に活用してみてはいかがでしょうか。
冬野菜の特徴

冬野菜とは、冬に旬を迎える野菜を指します。
冬期(11月~1月)が旬の野菜には、かぶ・小松菜・大根・長ネギ・白菜・ほうれん草などが挙げられます。

冬野菜の特徴は以下の通りです。

1.
冬野菜は寒さで凍ることがないよう細胞に糖を蓄積するため、糖度の高い野菜が多い

食べたときに甘味を感じるものが多いのが、冬野菜の魅力のひとつです。

2.
寒い時期に食べたくなる鍋料理や煮込み料理に向いているものが多く、身体を温めるのに効果的

身体を温めてくれる料理と相性の良いものが多くあります。煮汁ごと食べられる料理にすることで、煮汁に流れ出た栄養素も余すことなく取り入れることができます。

3.
ビタミンCやβ-カロテンなどの栄養素が豊富で、免疫力を高めて風邪などを予防する効果が期待できる

ビタミンCやβ-カロテンは、特にほうれん草や小松菜などの葉物野菜に多く含まれるので、積極的に活用すると良いでしょう。

4.
大根やカブには消化酵素が含まれ、胃もたれや胸やけなどの不調を防ぐ効果が期待できる

年末年始の食べ過ぎ・飲み過ぎで疲れた身体をいたわってくれます。

旬の野菜は栄養素も豊富

過去の回(Vol.04)で、旬のものは栄養が豊富だとお話ししました。
冬野菜の場合は旬が冬なので、冬に収穫したものは栄養素が多く含まれています。

例えば、ほうれん草は店頭に1年中並んでいますが、旬の最盛期とそれ以外の時期とでは、栄養成分に大きな差があります。

日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、ほうれん草の場合、冬に採れたものは夏に採れたものと比較して、ビタミンCの含有量が3倍も多くなります。

このようにして、季節によって栄養価が大きく変わってきます。 これだけ栄養素に違いがあると、旬の野菜を選びたくなってしまうのではないでしょうか。

冬野菜の栄養素紹介

代表的な冬野菜を紹介しますので、参考にしてください。

代表的な冬野菜


かぶ

根(白い部分)に含まれるジアスターゼは消化を助ける働きがあり、胃もたれ改善が期待できます。
また、葉の部分は緑黄色野菜に分類され、β-カロテン、ビタミンC、葉酸などの栄養素が豊富です。
かぶの葉は刻んで炒め物にするなどして、捨てずに有効活用しましょう。


小松菜

カルシウムはほうれん草の約3倍と豊富です。β-カロテン、ビタミンCも多く含まれます。
ビタミンDを豊富に含む食材(鮭・しらす等)やきのこ類と組み合わせると、カルシウムの吸収が更にアップするのでおすすめです。


大根

根(白い部分)に含まれる主な栄養素は食物繊維とビタミンCです。
また、根に含まれるジアスターゼは消化酵素としての効果があり、消化を助けてくれます。
かぶと同様、葉の部分は緑黄色野菜に分類され、β-カロテン、ビタミンCなどが含まれます。


長ねぎ

β-カロテンや葉酸、硫化アリルなどの栄養素が含まれています。
硫化アリルはビタミンB1の吸収を助ける働きがあるため、豚肉などのビタミンB1を多く含む食材と組み合わせることで、栄養素を効率的に吸収することができます。


白菜

ビタミンC・カリウム・食物繊維が豊富です。比較的カロリーが低いのもうれしい点です。
スープや鍋ものに使えば、かさが減るのでたっぷりと食べることができます。
ビタミンCやカリウムは水溶性の栄養素なので、煮汁ごと残さず飲めるような調理法にすると◎です。


ほうれん草

鉄分、ビタミンC、βカロテンが含まれます。冬採りの方が夏採りよりも栄養素が豊富です。 鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収力がアップしますが、ほうれん草は鉄分、ビタミンCとも 豊富に含まれているので、鉄分をしっかり摂りたいときにも活用できるでしょう。


いかがでしたでしょうか。
美味しくて、栄養素も効果的に摂れる冬野菜。
煮物や鍋料理など、身体が芯から温まる料理に使って、寒い冬を乗り切りましょう!