野菜・果物などに関する健康情報をお届けします。
食安室通信
ビタミンCを無駄なく摂るには
~栗や芋にもビタミンCは含まれる

ビタミンCの特徴をおさらい

ビタミンCとは水溶性ビタミンの一種で、ヒトの体内では合成できないビタミンです。
ビタミンCは、第8回でメインテーマとしてご紹介させていただきました。
特徴を振り返ってみましょう。

食安室通信Vol.08(ビタミンCの基礎知識)



コラーゲンの生成に関わり、肌のハリをもたらす
強い抗酸化作用で、細胞の老化を防ぐ
肌のシミの原因となるメラニン色素の生成を抑える
免疫細胞の働きを高め、風邪などを予防する
ストレスに対する抵抗力を高める
鉄の吸収を助け、貧血を防止する


ビタミンCは強い抗酸化作用があり、細胞を酸化させる活性酸素を除去することで、老化や動脈硬化の予防が期待できます。

また、細胞と細胞を結び付けるコラーゲンの合成に関与しています。 さらに、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きもあるとされ、健康と美容の両面から期待度の大きい栄養素と言えるでしょう。

ビタミンCは主に果物や野菜に含まれています。動物性食品にはほとんど含まれていません。 したがって、私たちは果物や野菜を食べて、ビタミンCを摂り入れる必要があります。

ビタミンCは壊れやすい栄養素!

メリットの多いビタミンCですが、非常に壊れやすい栄養素だということはご存じでしょうか?

ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いので、洗う操作や茹でる操作で簡単に流失してしまうと言われています。 特に野菜の場合は加熱調理をすることが多いので、茹でたり煮たりしているうちにゆで汁からビタミンCを逃してしまっている…、といったケースは少なくありません。

「茹でることでビタミンCが減ってしまう?」

 例えばブロッコリー。可食部100g当たりのビタミンCは140mgであり、
 野菜の中でも特に豊富ですが、通常の茹でる操作により
 ビタミンCが半分近く減少してしまうと言われています。

また、ビタミンCは酸化されやすい栄養素でもあります。 果物や野菜は収穫後、切断面が空気にさらされるなどして ビタミンCが徐々に減っていくと言われています。

ビタミンCを逃さないための工夫

ビタミンCを逃さないためには

新鮮なうちに食べる
調理時に水や熱に接する時間を短くする
蒸し調理や電子レンジを活用する(水に触れる時間が少ない調理法を選択する)
スープ・汁物にして煮汁も一緒に摂れる料理にする


などの方法を試してみると良いでしょう。

果物の場合、加熱せずにそのまま食べられるので、 ビタミンCの供給源として積極的に活用すると良いでしょう。 例えばキウイオレンジは、調理操作が手軽で、なおかつビタミンCが摂れるのでおすすめです。 ビタミンCを多く含む果物については、以下のリンクに載せています。

食安室通信Vol.08(ビタミンCの基礎知識)


栗や芋類のビタミンC

また、イメージにはないかも知れませんが、栗や芋類にもビタミンCは含まれています。
栗は26mg、さつま芋には29mg、じゃが芋には28mgと比較的多く含まれています(すべて可食部100g当たり)

栗や芋類はデンプンを多く含んでおり、ビタミンCがデンプンの中に守られて存在しているため、 調理によるビタミンCの損失が少ないのが特徴です。

栗やさつま芋は秋の食材でもありますので、今シーズンは食事・おやつ等に 積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?